抄録
RSGはジベレリン(GA)内生量調節に関与しているbZIP型転写因子である。RSGと相互作用するタンパク質の一つは14-3-3タンパク質であり、14-3-3タンパク質はRSGの細胞内局在を制御していた。14-3-3タンパク質は主にリン酸化されたセリン残基を認識して結合し、標的タンパク質の機能を制御している。RSGの114番目のセリン残基が14-3-3タンパク質との相互作用に必須であり、そのセリン残基のリン酸化にCa2+依存性プロテインキナーゼ(CDPK)が関与していることを前回の学会で報告した(2003年度日本植物生理学会年会)。
本大会ではRSGとCDPKのin vivoにおける相互作用に関する解析を報告する。我々は in vivo 相互作用解析のためアグロインフィルタレーション法により Nicotiana benthamiana 葉身に発現プラスミドを導入する一過的発現系を用いた。GST融合RSGを一過的に発現させ抗GST抗体で免疫沈降を行い、沈降物中のCDPK活性を組み換えGST-RSGを基質にしたin-gel キナーゼアッセイにより調べた。その結果GST-RSGと共沈した画分にRSGのSer114残基をリン酸化するCDPK活性が検出され、RSGとCDPKの in vivo における結合が示された。またリン酸化RSGと同様にCDPK自身も14-3-3タンパク質と結合することを見出した。