日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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低温誘導性転写因子DREB1Aの標的遺伝子の機能解析
*圓山 恭之進春日 美江高木 優篠崎 一雄篠崎 和子
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p. 260

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抄録
DREB1A遺伝子は、低温、乾燥および塩ストレスに関与する遺伝子発現を制御するシス領域であるDRE(Dehydration Responsive Element)配列に結合するタンパク質をコードするcDNAとして単離された。DREB1A遺伝子は、低温ストレス条件下において特異的に 誘導される。DREB1Aタンパク質は、詳細なゲルシフト分析によりA/GCCGAC配列に特異的に結合することが明らかにされている。DREB1A遺伝子を恒常的に過剰発現させた形質転換植物は、低温、乾燥、塩ストレスに対する耐性が向上する。DREB1Aの標的遺伝子を22Kオリゴアレイをもちいて網羅的に検索し、低温ストレス処理後の計時的なノーザン解析およびプロモーター領域の結合配列解析を行って分類した。また、植物特異的転写抑制領域をもちいた形質転換植物体を作製し、標的遺伝子の転写レベルを解析した。本研究ではさらにDREB1Aの標的遺伝子であるC2H2タイプ転写因子を恒常的に強制発現する形質転換植物を作製し解析した。C2H2タイプ転写因子の形質転換植物体は、DREB1A形質転換植物と同様に矮化し、乾燥ストレスに対する抵抗性が増すことがわかった。現在、このC2H2タイプ転写因子の標的遺伝子を22Kオリゴアレイをもちいて検索している。
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© 2004 日本植物生理学会
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