日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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植物におけるapoptosis関連遺伝子の探索と機能解析
*東 克己高澤 涼子賀屋 秀隆二瓶 晋田沼 靖一朽津 和幸
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p. 092

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抄録
我々は、エリシターやストレスにより誘導されるプログラム細胞死(PCD)の情報伝達系や実行過程の分子機構について解析を進めている。動物の典型的PCDであるapoptosis制御蛋白質をコードする遺伝子のhomologは植物ゲノム中にほとんど見いだされていないが,植物で異所的に発現させたapoptosis制御因子がPCDを制御できることが報告され、既存の手法では検索できないapoptosis関連遺伝子homologが植物に存在する可能性を示唆している。そこで相同性検索法を工夫し、哺乳動物のInhibitor of apoptosis protein(IAP)の保存領域BIRと相同な領域を持つシロイヌナズナの遺伝子を探索したところ、BIRに特徴的なC2HC型zinc fingerを持つ機能未知の蛋白質をコードする遺伝子を2種発見し、AtILP1, AtILP2と名付けた。AtILP1のorthologは植物のみならず、脊椎動物、線虫、分裂酵母からも見いだされ、真核生物に広く見いだされる遺伝子ファミリーを形成していた。分子系統学的解析の結果、ILPIAPのparalogであることが示唆された。これら動植物の新規遺伝子の細胞死制御における機能解析を進めている。
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© 2005 日本植物生理学会
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