日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
睡眠時ブラキシズム患者の審美回復にラミネートべニア法で対処した1症例
岩佐 文則
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2014 年 6 巻 2 号 p. 196-199

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抄録

症例の概要:患者は30歳女性.上顎前歯部のラミネートべニアの変色と正中離開を主訴に来院し,同部の審美障害と診断された.また,起床時の咀嚼筋症状と咬耗から睡眠時ブラキシズムが強く疑われた.審美障害に対しては再度ラミネートべニア修復を行い,睡眠時ブラキシズムに対しては上顎オクルーザルスプリントにて対応し良好な予後が得られた.
考察:睡眠時ブラキシズム患者であっても,上顎オクルーザルスプリントを製作し夜間装着することで,ラミネートべニアを用いた歯冠修復治療の良好な予後が得られると考えられた.
結論:睡眠時ブラキシズムの的確な診断と合理的な対応を行うことが,予知性の高い補綴歯科治療を行う上で重要である.

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© 2014 社団法人日本補綴歯科学会
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