日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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緑色糸状細菌Roseiflexus castenholziiにおける光合成反応中心タンパク遺伝子群の転写様式解析
*高見 明子永島 賢治嶋田 敬三松浦 克美
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p. 342

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抄録
紅色細菌と緑色糸状細菌は光合成反応中心が類似し、光合成成立過程初期における共通祖先の存在が考えられている。紅色細菌ではpuf operon(pufB,A:光捕集LH1 pufL,M,C;反応中心L、M、チトクロムサブユニット)の配置がpufB-A-L-M-Cであるのに対し、緑色糸状細菌Chloroflexus aurantiacus ではpufB-A-CpufL-Mの2つのoperonとなっている。一方R. castenholziipufB-A-L-M-Cで、紅色細菌と類似しており、両者の共通祖先を反映していると考えられる。そこで本研究ではR.castenholziipuf operonの転写様式を調べることで、両者における光合成成立過程の知見獲得を目指した。ノーザンハイブリダイゼイションの結果、転写産物は少量の3.5kb(pufB-A-L-M-C)と2kb (pufB-A-L-M)のmRNA、多量の 0.3kb (pufB-A)mRNAが検出され紅色細菌と類似していた。またこれらの5’末端はpufB上流140baseに検出され、近傍にCfl.aurantiacusと似た認識配列が示された。このことはR.castenholziiも酸素濃度や光強度等の条件に対しCfl.aurantiacusと類似した転写制御を行っている可能性を示唆する。
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© 2005 日本植物生理学会
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