日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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紅色光合成細菌Rubrivivax gelatinosusを用いたバクテリオクロロフィル合成酵素の特異性の研究
*宇野 文子伊藤 由加小林 正美井上 和仁松浦 克美嶋田 敬三永島 賢治
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p. 345

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抄録
バクテリオクロロフィルaとクロロフィルaの生合成経路はクロロフィリドaまで一致している。クロロフィリドa以降の生合成経路は、バクテリオクロロフィルaの方が2ステップ多いが、どちらも長鎖アルコール鎖の付加によって完了する。このエステル結合反応はバクテリオクロロフィルa合成では酵素BchGに、クロロフィルa合成では酵素ChlGによって触媒される。BchGとChlGは遺伝子配列にも相同性があることから、両者の起源は同じだと予想される。近年、シアノバクテリアにバクテリオクロロフィルa合成に関与するBchFを発現させた株が3-ヒドロキシエチルクロロフィリドaに長鎖アルコール鎖を付加することが示唆されている。我々はin vivoでBchGとChlGの基質特異性を検討する目的で、bchGbchXYZの破壊株を作成した。その結果、bchG破壊株ではクロロフィリドaの代謝物が、bchXYZの破壊株ではクロロフィリド aと3-ヒドロキシエチルクロロフィリド aの代謝物が蓄積された。本研究によりBchGとChlGの機能を評価するための有用な株が得られた。現在、これらの破壊株へシアノバクテリアSynechoscystis sp PCC 6803のchlGの導入を試み、BchGとChlGの特異性について検討している。
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© 2005 日本植物生理学会
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