日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ラン藻Gloeobacter violaceus PCC 7421のカロテノイド生合成に関わる遺伝子の解析
*土屋 徹高市 真一三沢 典彦眞岡 孝至宮下 英明三室 守
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p. 353

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抄録
Gloeobacter violaceus PCC 7421は単細胞性シアノバクテリアで、16S rRNAの配列を用いた分子系統解析により、シアノバクテリアの中では早期に分岐した事が示されている。よって、本生物が始原的な性質を部分的に残している可能性が考えられた。我々は、カロテノイドに着目し、その組成と生合成系の酵素遺伝子について解析を行った。Gloeobacterでは主なカロテノイドはβ-カロテンであり、その他にオシロール・ジフコシドと少量のエキネノンが同定された。しかし、多くのシアノバクテリアに見出されるゼアキサンチンなどの他のカロテノイドは存在しなかった。ゲノム配列情報より、カロテノイド生合成経路に関わる酵素遺伝子を検索した結果、他のシアノバクテリアから高等植物までで保存されており、フィトエンからリコペンまでの不飽和化反応を連続的に触媒する2つの酵素の遺伝子(crtP, crtQ)がGloeobacterには見出されなかった。それに対して、4段階の反応を行う細菌型の不飽和化酵素であるcrtI様の遺伝子が1つ存在していた。フィトエンを蓄積する大腸菌での機能相補実験により、GloeobacterのCrtIにリコペン合成能があることが示された。これは、細菌型のフィトエン不飽和化酵素が酸素発生型光合成生物で機能している初めての例である。さらに、我々は2つのβ-カロテンケトラーゼ様遺伝子(crtO, crtW)の一方だけがエキネノン合成に関与することを見出したので合わせて報告する。
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© 2005 日本植物生理学会
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