日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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トマト(Micro-Tom)のEMS突然変異系統の作出・整備の現状
*溝口 剛渡辺 信柴田 大輔江面 浩
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p. 446

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抄録
植物ゲノム研究はシロイヌナズナやイネで先行実施され、大きな成果があげられている。ゲノム情報は、トランスクリプトーム研究、プロテオーム研究、フェノーム研究に利用され、「ポストゲノム研究」が進められている。また、比較ゲノム研究も精力的に行われ、花成研究(長日性/短日性の比較)などで大きな成果が得られている。トマトは多種多様な二次代謝産物を大きな果実に蓄積し、今後の植物研究の主要テーマの1つ「メタボローム研究(二次代謝産物の網羅的解析)」にとって良好な研究対象である。この「果実」の発達過程は、さまざまな植物ホルモンの相互作用により協調制御される。情報伝達系のクロストークに関して、シロイヌナズナやイネとは異なる新知見が得られると考えられる。また、トマト(中性植物)は、シロイヌナズナやイネとは異なる光周期応答性をもち、花成や概日リズムに関して興味深い研究対象である。「ゲノム配列の決定」、「完全長cDNAやESTの解析」、「突然変異系統の作出・整備・解析」の3つは、モデル生物の研究スピードの飛躍的向上に必須である。我々は現在、トマト標準系統(Micro-Tom)のEMS突然変異系統の作出・整備を進めている。また、「花成や概日リズム」と「植物ホルモンと果実の発達」に焦点をあて、変異体スクリーニングの条件検討を開始している。本学会では、「整備状況」や「変異体のスクリーニング」の現状を紹介する。
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© 2005 日本植物生理学会
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