日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ミヤコグサ培養細胞における遺伝子応答と代謝産物解析
*西田 寛櫻井 望鈴木 秀幸柴田 大輔
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p. 482

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抄録
多様な工業原材料を生産する植物代謝経路を解明するために解読が進んでいる植物ゲノム情報の活用は重要である。モデル植物シロイヌナズナは基本代謝経路を解明するために大きく貢献しているが、一方で他の植物に比べて代謝産物が少なく、一般的な代謝経路の全容を明らかにするには他のモデル植物の利用が望まれる。ゲノム解読が進んでいるマメ科モデル植物ミヤコグサでは、約30%の遺伝子がシロイヌナズナ遺伝子に相同性を示さない。大量に均質な試料を得ることができる培養細胞は代謝研究に適した材料であり、我々はミヤコグサ培養細胞を用いた代謝関連遺伝子の機能解析を進めている。酵母抽出液投与したミヤコグサ培養細胞では特定の遺伝子の発現誘導が起こる(1)。今回は、誘導された代謝産物を、液体クロマト質量分析計、ガスクロ質量分析計、キャピラリー電気泳動質量分析計を用いて分析し、複数のイソフラボノイド様物質の増加を確認した。その一部は、スペクトル、質量分析から構造を推定した。一方、他の代謝産物には大きな変化は認められなかった。同試料をミヤコグサのDNAアレイを用いて分析し、我々が開発した代謝経路解析プログラム(Kazusa Plant Pathway Viewer)で解析したところ、転写レベルでのイソフラボノイド合成経路の特異的活性化を見出した。
(1)西田寛ほか、日本植物生理学会第45回大会、pp.242.
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© 2005 日本植物生理学会
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