日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ミヤコグサ葉柄運動異常突然変異体lazinessの解析
*稲田 さやか中野 道治岡田 清孝酒井 達也
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p. 565

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抄録
 マメ科植物では、青色光照射によって葉柄運動が誘導されることが知られている。この運動は、葉枕組織に存在する運動細胞の体積の変化、つまり膨圧の変化によって生じる現象であり、そのシグナル伝達経路は気孔の開閉運動に類似している。シロイヌナズナでは、気孔開口運動の青色光受容体としてフォトトロピンが機能していることが報告され、そのシグナル伝達分子も明らかにされつつあるが、葉柄運動の分子機構は不明である。我々は、ミヤコグサから葉柄運動に異常の認められる突然変異体 laziness を単離し、その制御機構の解明を試みている。laziness の葉柄運動の概日リズムは正常であったが、青色光による葉の開きは野生型よりも遅かった。また、青色光による気孔開口運動にも異常の認められる突然変異体であった。現在、原因遺伝子のマッピングを行っており、これまでに、 その座乗染色体は5番染色体の上腕であることが分かった。
 葉柄運動は既知の青色光受容体によって制御されている可能性もある。そこで、シロイヌナズナクリプトクロムおよびフォトトロピンの相同遺伝子をミヤコグサから単離し、ミヤコグサ青色光受容体の逆遺伝学的な機能解析を行っている。ミヤコグサからは3つのクリプトクロムとフォトトロピンが単離され、これらをシロイヌナズナcry1 cry2 phot1 phot2 四重変異体へ導入したところ、表現型が一部回復した。
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© 2005 日本植物生理学会
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