抄録
私たちの研究室では、イネにおける光応答反応の解明の一環として青色光受容体であるクリプトクロム(CRY)遺伝子群を単離し、その機能解析を進めている。私たちはこれまでに3種類のクリプトクロム遺伝子(OsCRY1a, 1b, 2)をイネから単離し、それらの発現様式を解析してきた(前年度本大会発表)。今回は、イネのCRY2タンパク質の光に依存したリン酸化について報告する。
シロイヌナズナのcry2の青色光に依存した分解にはタンパク質リン酸化が関わっていることが示唆されている。私たちもイネのCRY2タンパク質が光照射によって減少することを確認しており、その過程でリン酸化が関与している可能性について検討した。7日間暗所で育てたイネに32Pを取り込ませた後、白色光を照射し経時的にサンプリングしてタンパク質を抽出した。抗CRY2抗体によって免疫沈降したタンパク質をSDS-PAGEで分離し、イネのCRY2タンパク質のリン酸化をオートラジオグラムで検出した。その結果、イネではCRY2タンパク質が10分間の白色光照射によりリン酸化されることが確認できた。さらに光質の違い(青色光と赤色光)によるCRY2タンパク質の不安定化とリン酸化との関連性についても検討を加えた。
また、OsCRY2過剰発現(OsCRY2 O.E.)イネとアンチセンス(OsCRY2 A.S.)イネを作製し、イネのcry2の開花制御における役割について解析した。