日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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緑藻Spirogyraからの二種のコケ型および藻類型Mn-SOD cDNAクローニング
岡安 操黒木 大志朗*金松 澄雄
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p. 586

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抄録
 SODにはFe-SOD, Mn-SODおよびCuZn-SODの三種のアイソザイムが存在する。陸上植物の祖先と考えられる一部の緑藻に属しているSpirogyra (アオミドロ) は他の大部分の緑藻と異なり、陸上植物と同様のCuZn-SODを持つ。我々は先に緑藻、コケ・シダ植物のCuZn-SOD遺伝子のエキソン・イントロン構造を比較し、CuZn-SODの分子進化について報告した。今回はSpirogyra に含まれる他のSODアイソザイムの性質を明らかにするためにcDNAクローニングをおこなった。
 遺伝子ファミリーであるFe-およびMn-SOD cDNAを区別してPCRクローニングするために、両者にそれぞれ特異的なdegenerateプライマーを作成し、Spirogyra , コケ植物、シダ植物、トウモロコシの各cDNAライブラリーよりSOD cDNA断片のPCR増幅をおこなった。その結果、両プライマーセットはFe-SODとMn-SOD cDNAの区別的増幅に有効であった。次にRACE法によりSpirogyraから2種のMn-SOD cDNAをクローニングした。得られた1047 bpのcDNAは231残基のミトコンドリア型SODをコードしており、陸上植物、特にコケ植物のものに最も類似していた。一方、917 bpのcDNAはミトコンドリア移行シグナルを欠いていると報告されているChlamydomonas のMn-SODに最も類似しているSODをコードしていた。しかしながらChlamydomonasとのアライメントの結果、両者のシグナル部位に相同性が認められることから両者ともミトコンドリアSODであると考えられる。
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© 2005 日本植物生理学会
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