日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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SHOOTLESS4はRNAiの機構を介してイネのシュート形成を制御している
林 克信*伊藤 純一芦苅 基行長戸 康郎松岡 信佐藤 豊
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p. 679

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抄録
 茎頂分裂組織は胚発生の過程で形成され発芽後は植物の形態形成の主要な場となる。茎頂分裂組織の形成およびその機能維持機構の解明は植物の形態形成を理解する上で重要な課題である。本研究では、茎頂分裂組織の形成およびその機能維持の機構を明らかにするために、イネの胚発生突然変異体shootless4 (shl4)から原因遺伝子の単離を行った。shl4は胚発生で茎頂分裂組織が特異的に欠損する変異体であり、SHL4遺伝子はイネの茎頂分裂組織の形成に必須の因子であると考えられた。遺伝子単離の結果、SHL4遺伝子はRNA interference (RNAi)の機構に関連したタンパクをコードすることが明らかになった。SHL4遺伝子の茎頂分裂組織形成における役割を明らかにするために、発現解析を行ったところ、球状胚においてSHL4は将来茎頂分裂組織が形成される領域に隣接した表皮に発現していた。発芽後は茎頂分裂組織の表皮ならびに葉原基の先端に発現していた。以上の結果から、SHL4のイネのシュート形成およびその維持における機能について考察する。
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© 2005 日本植物生理学会
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