日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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タンパク質複合体としてのエンドウ芽生え由来ポリガラクツロン酸合成酵素
*大橋 貴生石水 毅長谷 純宏
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p. 728

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抄録
 ペクチンは複雑な構造を持つ酸性多糖であり、植物細胞壁の主要な構成成分である。ポリガラクツロン酸はペクチンの主骨格を成す。ガラクツロン酸残基を連続的に転移し、ポリガラクツロン酸合成を担うポリガラクツロン酸合成酵素はペクチン生合成の鍵酵素である。本酵素の精製、当該遺伝子のクローニングは未だになされていない。最近、我々はピリジルアミノ化オリゴガラクツロン酸を用いた本酵素の活性測定法を構築し、連続的糖転移活性を検出することに成功した。今回、ポリガラクツロン酸合成酵素がタンパク質複合体として存在していることを報告する。
 本酵素はエンドウ芽生えの膜画分を界面活性剤を含む緩衝液で可溶化することにより調製した。本酵素活性は200 mM以上のNaClまたはKClでプレインキュベーションを行うと失活した。また、本酵素は原核生物のリボソームに匹敵するストークス半径と沈降係数を持つことが分かった。以上の結果より、ポリガラクツロン酸合成酵素はタンパク質複合体として存在していることが示された。
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© 2005 日本植物生理学会
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