日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ムラサキ由来の膜結合性PHBゲラニルトランスフェラーゼの機能的大量発現
*水戸 光司矢崎 一史
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p. 847

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抄録
ムラサキは、ナフトキノン系赤色色素であるシコニンをその根皮で特異的に生産し、そのシコニンは抗菌作用 、抗炎症作用、止血作用、抗腫瘍活性などの様々な生理活性持ち、ムラサキ薬効本体とされている。 そのシコニン生合成経路において鍵酵素とされているのが、p-ヒドロキシ安息香酸(PHB) geranyltransferase (LePGT)であり、この酵素はgeranyl diphosphate (GPP)のみを特異的プレニル基質とし、そのゲラニル基をPHBの芳香族プロトンと置換する反応を行う。LePGTは307アミノ酸より成り、hydropathy 解析の結果から、9回の膜貫通領域をもつ膜タンパク質であると予測されている。従前は酵母をホストとしたLePGTの機能解析が行われてきたが、本膜タンパク質の大量発現までには至っていない。そこで、X線構造解析に向けた大量発現を目指して、昆虫培養細胞系(Sf9)にてLePGTの機能的大量発現を試みた。その結果、発現したLePGTは、酵母で発現させた時よりも高い比活性と十分な発現量を示し、かつ活性を保ったまま可溶化可能であることが明らかになった。現在、精製条件の最適化を行っているところである。
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© 2005 日本植物生理学会
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