2016 年 16 巻 12 号 p. 563-569
食品の国際貿易においてコーデックス委員会の重要度が増してきている。コーデックス委員会 は1963年にFAO及びWHOにより設立された国際的な政府間組織で,現在は187ヶ国及び1地域政府間機関(欧州連合)が加盟し,消費者の健康保護と公平な食品貿易を主目的に食品安全の国際規格を策定しているリスク管理組織である。本稿では食品中の汚染物質に関するコーデックス食品汚染物質部会(CCCF)の取り組みと,その科学的根拠となっているFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)によるリスク評価について紹介する。さらに,かび毒,アクリルアミド,無機ヒ素及び鉛など,CCCFにおいて近年議論されている食品安全に関する課題を取り上げ,概説する。