日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナを用いたクマリン類縁体生合成経路の解析
*甲斐 光輔清水 文一水谷 正治坂田 完三
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p. 864

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抄録
 クマリン類縁体は植物界において広く存在し、病原菌など種々のストレスにより植物体内に蓄積することが知られており、抗菌活性や抗酸化活性などの作用が報告されている。演者らはシロイヌナズナに存在すること、特に根におけるスコポレチンおよびその配糖体スコポリンの蓄積を明らかにした。クマリン類縁体は植物体内においてフェニルプロパノイド経路から生合成されると考えられているが、その詳細は不明な点が多い。クマリン類縁体の生合成に関する知見を得るため、フェニルプロパノイド経路の p-クマル酸エステル 3' 位水酸化酵素 (C3'H) が欠損したシロイヌナズナ変異株を用いて、クマリン類縁体の分析を行った。
 C3'H の T-DNA 挿入変異株における種々のクマリン類縁体を HPLC - 蛍光検出器および LC/MS/MS により分析したところ、変異株ではスコポレチンおよびスコポリンの蓄積量は野生株の約 5% だった。また、野生株では検出されなかったウンベリフェロンの配糖体スキミンが変異株において検出された。以上よりスコポレチンおよびスコポリンは C3'H を経由して生合成されることが示唆された。また、C3'H を欠損させることでそれより上流からウンベリフェロン、スキミンを生合成する経路への流れが生じることが確認された。
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© 2005 日本植物生理学会
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