日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

ハプト藻Emiliania huxleyiの光合成炭素固定機構
*辻 敬典岩本 浩二鈴木 石根白岩 善博
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 116

詳細
抄録
ハプト植物門に属する円石藻Emiliania huxleyiは,光合成および細胞内石灰化反応の2種のCO2固定機能を持つ。世界の海洋で時に大増殖を引き起こすことから,地球規模の炭素循環に大きく寄与する.一方,これら生物群の光合成炭素固定機構は不明のままで,主要な炭素固定系すら明らかにされていない.そこで,本研究では,E. huxleyiの光合成における初期産物および炭素固定経路を解析した.光合成条件下で2 mM NaH14CO3(基質律速濃度)添加10秒後にはリン酸化合物およびAspにそれぞれ約60%および約40%の14Cが取り込まれた。その後、Glu、Alaがラベルされ、14C-脂質の合成が著しく増大した。さらに、パルス-チェイス実験の結果は,一定量のAsp, Alaおよび Gluを中間代謝産物として維持しつつ、リン酸化合物から脂質合成への代謝系が駆動していることを示した。以上の結果よりE. huxleyiでは,光合成C3回路で合成されたリン酸化合物の供給を受けて、β-カルボキシレーション反応やTCA回路が活発に駆動し,固定された炭素の多くが速やかにアミノ酸や脂質に代謝されていると結論した.
著者関連情報
© 2006 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top