日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナの根における重力屈性は、グルタチオン S-トランスフェラーゼを介するグルタチオン依存的な反応で制御される。
*潮見 直織美逸見 健司小川 健一
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p. 222

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抄録
我々はこれまでにシロイヌナズナの根には、グルタチオン S-トランスフェラーゼ(GST)とグルタチオン(GSH)を介した重力応答システムが存在することを示した(潮見ら、日本植物生理学会2005年大会要旨)。
GSH量が重力応答に関与しているか調べるために実験を行った。GSH添加培地およびブチオニンスルホキシミン(BSO)添加培地において野生型植物の重力応答は濃度依存的に鈍化した。一方で、他のチオール還元剤であるジチオスレイトールの添加培地では重力応答に影響は見られなかった。また、GSH添加培地において見られる野生型植物の根における重力応答の鈍化が、H2O2誘導性GST遺伝子へのT-DNA挿入植物では見られなかった。以上のことから、根の重力応答はH2O2誘導性GSTを介したGSH依存的反応によって制御されていると示唆される。
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© 2006 日本植物生理学会
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