日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ATP合成酵素の活性調節機構の1分子観察
*紺野 宏記村上 朋重小山 史恵中西 華代吉田 賢右久堀 徹
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p. 326

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抄録
葉緑体ATP合成酵素には、γサブユニット上に存在する2つのシステイン残基間のジスルフィド結合の形成・解離(酸化還元調節)、テントキシンに対する感受性など他種のATP合成酵素には見られない活性調節機構がある。また、内在性の阻害サブユニットであるεによってそのATP加水分解活性が強く阻害されることもよく知られている。我々は、これらの調節機構の詳細を明らかにするために、好熱性シアノバクテリア(Thermosynechococcus elongatus BP-1)由来FoF1のα3β3γ複合体およびこの複合体に葉緑体ATP合成酵素のγサブユニットの酸化還元調節領域を導入したキメラα3β3γ複合体の大量発現系を構築した。キメラα3β3γ複合体のATP加水分解活性は、葉緑体ATP合成酵素と同様に酸化還元応答を示した。さらに、このキメラα3β3γ複合体はテントキシン感受性も示した。葉緑体ATP合成酵素の活性調節と共通点が多いことから、このキメラα3β3γ複合体は活性調節機構の詳細を調べるための好適なツールである。また、α3β3γ複合体は、ATP加水分解に伴って回転子であるγサブユニットを回転させる分子モーターである。εサブユニットによりATP加水分解活性が阻害された時のγサブユニットの回転を1分子観察によって詳細に調べた結果も、あわせて報告する。
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© 2006 日本植物生理学会
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