抄録
症例は58歳男性.上腹部痛,体重減少を主訴に当院を受診した.緊急上部消化管内視鏡検査では胃体部後壁に活動期潰瘍性病変が認められた.プロトンポンプ阻害薬による保存的加療が開始され,second lookのために内視鏡検査を施行したところ,潰瘍底中央に結腸が突出しているのが確認され,胃結腸瘻の診断となった.栄養状態を十分に改善した後に腹腔鏡下手術が施行され,胃および結腸を切除すること無く,瘻孔部を切離し得た.良性胃潰瘍穿通を原因とした胃結腸瘻は極めて稀である.瘻孔形成初期を画像として捉え,その形成機序を推察する上で有用な所見であったため報告する.