日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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タバコの分泌型ホスホリパーゼA2アイソフォームの発現解析
*藤川 律子藤川 愉吉山口 麻里子飯島 憲章江坂 宗春
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p. 461

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抄録
ホスホリパーゼA2(PLA2)はグリセロリン脂質の2位のエステル結合に作用し,遊離脂肪酸とリゾリン脂質を産生する酵素の総称である。現在までに,多数の植物種においてPLA2の発現や存在が確認されるようになり,その重要性が示唆されてきた。しかしながら,植物PLA2に関する基礎的研究は動物PLA2の研究に比べ,著しく遅れている。これまでに,タバコから,動物の分泌型PLA2(sPLA2)と相同性を持つ2種のアイソフォームcDNAをクローニングした。しかし,それら2種のsPLA2アイソフォームについては,その発現量が少ないことから,組織特異的発現などに関する研究が進んでいなかった。本研究では,定量的RT-PCR法により,両sPLA2のmRNA発現量を調べた。まず,タバコの各組織における2種のsPLA2アイソフォームの遺伝子発現について検討した結果,いずれのsPLA2アイソフォームも,花において,葉や茎,根と比べて高いmRNA発現が認められた。さらに,酵素活性についても,花において,他の組織より高い活性が認められた。現在,タバコ植物体または培養細胞BY2を用いて,ストレス応答などにおける両sPLA2の発現応答について解析している。
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© 2006 日本植物生理学会
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