日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネのK+チャネル遺伝子の発現解析
*岩崎 郁子小八重 善裕中西 洋一前島 正義真崎 聡北川 良親
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p. 711

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抄録
生物界には多様なK+チャネルが存在し,機能も多様である。イネにおけるK+チャネルの役割を理解する目的で,「ひでこもち」、「ひとめぼれ」および「日本晴」の3品種から得られた共通の遺伝子(ROK,rice outwardly rectifying K+ channel)について、その発現解析を行なった。ROKは外向き整流性を示すグループに入る。これまでにリアルタイムPCR法を用いて発現量を比較したところ、2品種いずれも出穂期の約10日前の方が5日前よりも約5-10倍高いことがわかっており、出穂期の約10日前は冷温感受性期に相当するといわれる。
ROKタンパク質の細胞内膜局在を確かめるために主にROK発現酵母を用いて検討した。酵母の総膜画分をショ糖密度勾配遠心により分画し、主なオルガネラマーカーを指標として(PM Pma1, VM Vam3, ER Kar2, Golgi IDPase)解析を行った。その結果、ROKタンパク質は主としてERに局在しており、液胞膜や細胞膜には分布していないことが示された。また、シロイヌナズナの培養細胞を用いたROKのGFP融合タンパク質の局在性もER局在を示唆するものであった。
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© 2006 日本植物生理学会
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