日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ブラシノステロイド情報伝達突然変異体W114、bpg2、Z1の解析
*小松 知之中野 雄司中澤 美紀松井 南篠崎 一雄川出 洋安部 浩辻本 雅文吉田 茂男浅見 忠男
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p. 869

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抄録
[目的] ブラシノステロイドは発生、成長など植物の生長に重要な機能を持つ植物ホルモンである。ブラシノステロイド情報伝達機構の解明を目的とし、ブラシノステロイド生合成阻害剤Brzに対する応答性の異常を選抜基準に、Arabidopsisのアクティベーションタギングラインから突然変異体のスクリーニングを行った。
[結果] 暗所Brz存在下において野生型の約1.5倍の胚軸徒長を示す半優性のbil(Brz-insensitive-long hpocotyl)変異体W114を単離した。明所成熟個体はbil5bil4と同様にロゼット葉の細小化と花茎の短下に伴う細矮性Slender Dwarf様の形態を示した。
Brz存在下において、野生型Arabidopsisの子葉及びロゼット葉は葉緑体分化促進による濃緑化が観察されるがこの条件において、低緑化形質を示す劣性変異体、bpg2(Brz-insensitive-pale green2)を単離した。変異原因として、葉緑体局在が予測される新規なGTP結合タンパク質相同性遺伝子のタグ挿入破壊を考察している。
暗所発芽時において、通常培地条件では野生型と同程度の胚軸伸長を示しながら、Brz条件下において野生型の約60%長への胚軸短化を示すBrz高感受性変異体として半優性のZ1を単離した。Z1はブラシノステロイドに特異的な新しい変異形質であると考察している。
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© 2006 日本植物生理学会
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