抄録
FOX Hunting System(full-length cDNA over-expresser gene-hunting system)は、次世代型アクチベーションタギング法として開発された。その特徴の一つとしてシロイヌナズナ以外の生物の遺伝子機能解析にも利用できる事が挙げられる。これを利用して、イネ完全長cDNAをシロイヌナズナに個別に導入したイネFOXラインが作成され、未知のイネ遺伝子の機能解析が行われつつある。この方法を利用した様々なスクリーニングが行われることにより、イネ有用遺伝子が多数単離されることが期待される。
この方法によるストレス耐性遺伝子探索も可能であると予想される。紫外線(UV-B)は植物にとって有害な環境ストレスのひとつであり、作物の収量低下を引き起こす。その解決にはUV-B耐性機構の増強がひとつの手段であると考えられる。しかし植物のUV-B耐性機構については不明な点が多い。そこで本研究ではUV-B耐性に関わるイネの有用遺伝子の単離を目的としてroot bending assayによるUV-B感受性の変化したイネFOXラインスクリーニングを行う予定である。将来的には、得られた遺伝子資源を利用してUV-Bや様々なストレスに強い植物の作出が可能となると予想される。本研究は、平成17年度科学振興調整費「イネ完全長cDNAによる有用形質高速探索」によって行なわれている研究である。