日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナのゴルジ体の発生・維持機構の解析
*庄田 恵子植村 知博上田 貴志中野 明彦
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p. 025

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抄録
ゴルジ体は, タンパク質選別センターとして重要な役割を担う細胞小器官である. また,極性を持った槽が重なった特徴的な層板構造を形成するが,その発生や構造維持機構については未だ不明な点が多い. 動物細胞のゴルジ体は,核近傍に巨大で複雑な層板構造を形成する.一方出芽酵母では,各々の槽が単独で存在し細胞内に分散している. これらに対し高等植物のゴルジ体は,明瞭な層板構造を持ちながら細胞内に散在している. 我々は,高等植物のゴルジ体をモデルとし,ゴルジ体の層板化の意義と,その発生・維持機構の解明を目的として研究を行っている. まず, ゴルジ体の槽特異的マーカーと蛍光タンパク質の融合タンパク質を発現する形質転換植物を作製し,生細胞内でのゴルジ体の可視化を行った. 超高感度高速共焦点顕微鏡システムを用いてその観察を行った結果, ゴルジ体が極性を保ちながらも活発に活動している様子を精細に捉えることに成功した. 次に, ゴルジ形態の発生・維持機構に関する手がかりを得るため, ゴルジ体の形態が異常となる変異体の探索を行った. その結果, いくつかの変異体候補の単離に成功した. さらに, ゴルジ体の機能が植物の高次機能にいかに寄与するのかを明らかにするため, ゴルジ体に局在するタンパク質の変異体の解析を行った. その結果, ゴルジ体に局在するSNARE (AtSYP32)の変異体において雌性配偶体の異常が観察されたので報告する.
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© 2007 日本植物生理学会
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