日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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単細胞緑藻Chlamydomonas reinhardtiiにおけるランダムな遺伝子破壊によるRNA interference 関連遺伝子の同定
*池内 絵理山崎 朋人大濱 武
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p. 080

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抄録
我々の研究グループではChlamydomonas reinhardtiiにおいて、spectinomycin耐性賦与遺伝子であるaadAが生産するmRNAを破壊するために、aadA配列の一部がhairpin構造として転写されるsilencer DNAコンストラクト作成した。これを、aadA形質転換体に導入することによりaadA mRNAの約80 %が破壊されるようになった株を得ている。この株に対して、パロモマイシン耐性賦与遺伝子であるaphVIIIを含むplasmid DNAをtagとして用い、ランダムな遺伝子破壊を行った。およそ、31,000株のtag挿入体かのうち、RNAi反応が強くなった株が126株、RNAi反応が著しく弱くなった株が114株得られた。このような、形質の変化はtagの挿入により、RNAi関連や転写抑制関連遺伝子が破壊された事に起因する可能性が高い。
tagの挿入位置はRESDA-PCR法を用いて、その上流と下流のゲノム配列の一部を決定し、すでに公表されているChlamydomonasのゲノム配列と比較する事で決定した。これまでにRNAi効果が促進された株では、ヒストン遺伝子や、APG5が、抑制された株ではリン酸転移酵素やATPase、遺伝子内にtagが挿入されている事がわかった。また、トランスポゾン転移が活発化した株も得られた。
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© 2007 日本植物生理学会
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