抄録
近年、非常に多くのタンパクをコードしないRNAが転写されることが明らかになりつつある。small RNAは20-25塩基のタンパクをコードしないRNAで、mRNAの切断、DNAメチル化、ヒストン修飾を介して、自身の配列や配列相同性をもつ遺伝子の転写の抑制に関与すると考えられている。これまでに数万種類のsmall RNAがモデル植物のシロイヌナズナを中心に単離同定されてきた。このうち幾つかのsmall RNAは形態形成・ホルモン応答などの様々な局面でその重要性が示されているが、植物のストレス応答における役割については、まだほとんど明らかになっていない。私たちは植物の乾燥、低温、塩などの環境ストレスへの応答機構を解明するため、ストレス応答におけるsmall RNAを介した制御に注目し研究を進めている。乾燥、低温、塩などのストレスやABA処理をした植物および無処理の植物から抽出したsmall RNAを454 Life Sciences社の高速シーケンス技術を用いて大量配列解析を行った。今回得られたデータや既知のsmall RNAのデータベースを基にしてストレス応答性のsmall RNAを探索し、ノーザン解析を行い、これまでにストレス応答性のmiRNAを10個同定した。現在、同定した新規のストレス応答性miRNAに関して機能解析を進めている。