日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネ第8染色体上の低NH4+濃度において窒素利用を支配しているQTLの連鎖解析
*田村 亘小原 実広小野 久智蛯谷 武志矢野 昌裕佐藤 雅志山谷 知行
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p. 093

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抄録
植物における窒素利用は、根での吸収、植物体内での同化、輸送、並びにその後の代謝と、様々な段階で複数の因子により制御されている。イネは、供給される窒素が少ない場合、根の伸長を促進する。KoshihikariとKasalathに由来する染色体断片置換系統群(CSSL)を用いた解析から、低NH4+濃度で根長を支配しているQTLを、第8染色体の長腕側に検出した。本研究では、このQTL原因遺伝子の同定を目的として、様々なNH4+濃度でのQTLの特徴付け、並びに連鎖解析を行った。Koshihikariを遺伝背景とし、第8染色体の長腕側のみKasalath由来の断片に置換されたCSSL、SL‐225とKoshihikariを、5, 25, 50, 500 μM NH4+ を含むpH 5.5の水耕液で9日間育成した。その結果、5 μM NH4++濃度で育成した場合のみ、SL-225の根長は、Koshihikariの根長に比較して有意に高い値を示した。このことから、このQTLは、低NH4+濃度において窒素の利用に重要な役割を担っていることが示唆された。そこで、SL‐225に由来する戻し交雑後代BC 1F 3の分離集団を5 μM NH4+濃度で育成し、連鎖解析を行った。その結果、目的とするQTLは、約150 kbの領域に絞り込まれた。現在、更なる分離集団を用いて高精度連鎖解析を行っている。
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© 2007 日本植物生理学会
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