日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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オオムギのアルミニウム活性型クエン酸輸送体候補遺伝子の発現ならびに機能解析
*古川 純山地 直樹王 華且原 真木佐藤 和広武田 和義馬 建鋒
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p. 112

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抄録
オオムギではAl耐性における大きな品種間差が存在し、またAl耐性能と根から分泌されるクエン酸量に強い相関があることが知られている。この有機酸分泌に関与する遺伝子を同定するために、Al耐性品種のむらさきもちと感受性品種のMorexを用いたマイクロアレイ解析を行った。その結果、むらさきもちにおいていくつかの輸送体関連遺伝子が構成的に高い発現を示していた。最も高い発現差を示した輸送体遺伝子はむらさきもちの根端10mmにおいてMorexの約20倍の発現を示していた。ESTからBACクローンを選抜して配列解析し、遺伝子の全長配列を取得したところ、ORFにはむらさきもちとMorex間で2つのSNPが存在しており、そのうち1つではアミノ酸レベルでの相違を伴っていた。Al耐性能が異なるオオムギ8品種においてこの候補遺伝子の発現量とAlにより誘導されるクエン酸の分泌量との間に強い正の相関(R=0.96)が得られた。またアフリカツメガエルの卵母細胞に候補遺伝子のcRNAとクエン酸を注入して、アルミニウムによる電流の変化を測定したところ、水を注入した細胞の約2倍の電流が認められたが、cRNAとリンゴ酸の注入では電流の変化が見られなかった。この遺伝子によってコードされているタンパク質は根の表皮細胞の細胞膜に局在していた。これらの結果はこの輸送体がクエン酸を特異的に輸送する特性を持っていることを示している。
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© 2007 日本植物生理学会
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