日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ジベレリン(GA)核内受容体GID1の機能解析 (II)
*上口(田中) 美弥子中嶋 正敏加藤 悦子大宮 博子相 宏宇北野 英己芦苅 基行松岡 信
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p. 172

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抄録
GID1は、ジベレリン(GA)の核内受容体である。GAと結合したGID1は、GAシグナル伝達の抑制因子であるSLR1と結合し、SLR1を分解に導くと考えられている。GID1は、hormone sensitive lipase (HSL) に類似した一次構造を有しており、我々はHSL様の構造の内どのドメインでGAやSLR1と結合するのかに興味を持っている。昨年報告したGID1のデリーションコンストラクトの解析結果は、N末15アミノ酸を除くほぼ全ての領域がGA結合に必要であることを示した。このことから、受容体全体の立体構造の維持がGA結合に必須であると考えられたので、今年度は、3次構造の変化を最小にしつつアミノ酸変異の影響を見る目的でアラニンスキャニングを行った。イネGID1とアラビドプシスの3つのGID1ホモログの間で保存されているアミノ酸をそれぞれアラニンに置換した94個の変異型GID1タンパク質を作製した。現在、そのGA結合能とGA依存的SLR1結合活性を測定しているので結果を報告する。
我々のもう1つの興味は、植物内におけるGA依存的なGID1とSLR1の結合である。そこで、GID1-GFPを過剰発現した形質転換カルスを作製し、±GA処理後にGFPに対する抗体で免疫沈降を行った。その結果、GA処理したカルスのみからSLR1タンパク質が共沈したことから、in vivoにおいても、両タンパク質はGA依存的に結合することが明らかとなった。
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© 2007 日本植物生理学会
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