日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナCUP-SHAPED COTYLEDONの下流遺伝子の探索
*相田 光宏椿本 有雅苅谷 綾乃清水 聡子桧原 健一郎田坂 昌生
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p. 259

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抄録
茎頂分裂組織から新たな器官原基が形成されると、その周囲に境界部が生じる。器官境界部は「くぼみ」を形成することで隣り合う器官どうしを物理的に分離すると共に、新たな分裂組織が形成される場として機能する。シロイヌナズナのCUP-SHAPED COTYLEDON遺伝子CUC1CUC2CUC3は、いずれもNACドメインを持つ転写活性化因子をコードしており、胚性および腋生分裂組織の形成とシュート器官境界部の形態形成に重要な役割を果たす、互いに機能が重複した遺伝子群である。今回CUC遺伝子の下流で機能する遺伝子の同定を試みた。野生型とCUC1過剰発現体の芽生え、および野生型とcuc1 cuc2二重変異体の胚の二種類の組み合わせについて、それぞれマイクロアレイを用いた遺伝子発現の比較を行い、CUC1CUC2に正に制御される遺伝子の一次スクリーニングを行った。次に、得られた遺伝子についてRT-PCR法による二次スクリーニングを行い、CUC1過剰発現体において発現が上昇する、またはcuc1 cuc2において発現が低下する、のいずれかの条件を満たす下流候補遺伝子が合計21個得られた。現在これらの候補遺伝子について、野生型胚における発現パターン、および各遺伝子の発現に対するCUC1CUC2の影響を解析中であり、その結果を報告する。
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© 2007 日本植物生理学会
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