日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナの高親和型硫酸イオントランスポーターSULTR1;1、SULTR1;2の転写後制御
*吉本 尚子井上 恵理渡部(高橋) 晶子斉藤 和季高橋 秀樹
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p. 291

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抄録
SULTR1;1とSULTR1;2は硫黄欠乏条件においてシロイヌナズナの根の表皮と皮層で発現する高親和型硫酸イオントランスポーターであり、外界からの硫酸イオン吸収を担う。すでに私達はSULTR1;1とSULTR1;2の発現の硫黄欠乏応答性がプロモーターによる制御を受けることを報告した。本研究ではカリフラワーモザイクウイルス35S RNAプロモーターを用いてSULTR1;1およびSULTR1;2をsultr1;1 sultr1;2二重変異体において高発現させた形質転換植物を作出し、SULTR1;1とSULTR1;2の転写後制御について解析した。二重変異体は野生型と比較し硫酸イオン吸収活性が顕著に低いが、SULTR1;1またはSULTR1;2の高発現により硫酸イオン吸収機能が回復した。形質転換植物において、SULTR1;2 mRNAは葉および根の両方で発現したが、SULTR1;2タンパクは硫黄欠乏条件で生育した植物の根で特異的に蓄積した。一方、SULTR1;1のmRNA発現は根に限られ、SULTR1;1タンパク量は硫黄欠乏により増加した。また、形質転換植物の硫酸イオン吸収活性は硫黄欠乏処理により顕著に増加した。SULTR1;1およびSULTR1;2の硫黄欠乏応答および発現局在性は、転写、転写後の両方の段階によって制御されていることが示唆された。
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© 2007 日本植物生理学会
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