日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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葉緑体形質転換によるフェレドキシンの過剰発現は、光化学系I循環的電子伝達(CEF-PSI)活性を増強し、Non-photochemical quenching (NPQ)を増大させる。
*山本 宏加藤 秀起新崎 由紀堀口 清華鹿内 利治長谷 俊治遠藤 剛西岡 美典牧野 周富澤 健一三宅 親弘
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p. 317

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抄録
これまでに、NPQ誘導に、CEF-PSIが寄与していることを明らかにしている。CEF-PSIの光学系Iからプラストキノン(PQ)への電子のバックフローの経路として、NADPH dehydrogenase依存経路とFerredoxin:quinone oxidoreductase (FQR) 依存経路の存在が知られているが、両経路の制御機構に関してはほとんど解明されていない。今回、in vivoにおいて、CEF-PSI活性はフェレドキシン(Fd)により律速されており、その律速過程の解除がNPQを増大させるという仮説の証明を試みた。
葉緑体形質転換技術により、シロイヌナズナ由来のFdを葉緑体で過剰発現する形質転換タバコを作出した。形質転換株は野生株よりも高いFoを示したが、far-red光照射により形質転換株のFoは、野生株のFoレベルまで低下し、形質転換株においてFQRによるストロマからPQへの電子の流れが増強されていることが示された。また光合成linear electron flowが低下する状況下において、野生株に比べて、形質転換株のCEF-PSI活性はより高い値を示し、同様にNPQも増大していた。一方で、キサントフィルサイクル色素のプールサイズとPsbSタンパク質量は、両植物間で差は見られなかった。以上の結果は、私たちの仮説を強く支持するものであった。
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© 2007 日本植物生理学会
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