日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネの非生物的ストレス・生物的ストレス誘導性遺伝子発現に関わるNAC型転写因子OsNAC6の機能解析
*中島 一雄Tran Lam-Son PhanNguyen Dong Van藤田 美紀圓山 恭之進戸高 大輔伊藤 裕介林 長生篠崎 一雄篠崎 和子
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p. 360

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抄録
OsNAC6はイネのNAC型転写因子である。OsNAC6の発現は低温、乾燥、塩ストレスで誘導されるが、傷害やいもち病の感染でも誘導される。酵母を用いた実験からOsNAC6には転写活性化能があることが示され、細胞内局在実験からOsNAC6-sGFP融合タンパク質は核に局在することが示された。また、OsNAC6を過剰発現したシロイヌズナやイネでは生育阻害が観察された。マイクロアレイ実験から、OsNAC6を過剰発現したシロイヌナズナとイネの両方で、多くの非生物的ストレス・生物的ストレス誘導性遺伝子群の発現レベルが上昇していることが判明した。一過的転写活性化実験から、パーオキシダーゼなど3種のタンパク質の遺伝子が、OsNAC6により転写活性化することが示された。これらの結果は、OsNAC6が非生物的ストレスと生物的ストレスに対して機能する転写活性化因子であることを示唆する。OsNAC6を過剰発現するイネでは、乾燥・塩ストレス耐性が向上したばかりでなく、いもち病耐性も向上していた。OsNAC6プロモーターなどのストレス誘導性プロモーターを用いて、OsNAC6をイネで過剰発現させると、生育阻害を示すことなくストレス耐性が向上した。OsNAC6は種々の植物のストレス耐性を向上させる有効なバイオテクノロジーツールとなることが期待される。
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© 2007 日本植物生理学会
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