日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナLKP2形質転換株の花成時期の解析
*高瀬 智敬谷東 春奈藤田 祥平清末 知宏
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p. 391

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抄録

シロイヌナズナのLKPファミリータンパク質(ADO/FKF/LKP/ZTL)は三つのメンバーから構成されており、概日リズム、花成時期、胚軸伸長を制御していることが報告されている。LKPファミリータンパク質は、N末端から青色光受容体フォトトロピンなどに見出され、タンパク質間の相互作用にも関わっているとされるLOVドメイン、SCF複合体の形成に関わるF-boxモチーフ、そしてタンパク質間相互作用に関わるkelchリピートの三つの機能ドメインから構成されている。LKPファミリーの一つであるFKF1は、COの転写を抑制するCDF1をユビキチン-プロテアゾーム系を介して分解することで花成時期を制御するモデルが示されている。ztl変異株、及びLKP2のT-DNA挿入株では花成時期に異常は見られないが、それらの過剰発現株は長日条件下で花成が遅延する。LKP2とCOは核内で共局在することが確認されており、LKP2のF-boxモチーフ、あるいはkelchリピートを含む領域はCOと相互作用を示したことから、実際の生物体内でのLKPファミリータンパク質のそれぞれの機能ドメインの働きについて興味がもたれる。本発表ではLKP2形質転換株の花成時期の解析結果について報告する。本研究は、(独)農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センター(生研センター)の補助のもとに行われた。

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© 2007 日本植物生理学会
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