日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナHis-キナーゼAHK5の機能解析
*岩間 綾子山篠 貴史田中 泰史榊原 均柿本 辰男佐藤 修正加藤 友彦田畑 哲之長谷 あきら水野 猛
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p. 408

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抄録
シロイヌナズナにおけるHis-Aspリン酸リレー系はサイトカイニンやエチレンといった植物ホルモン情報の受容と伝達に必須の役割を担っている。特に、これらの情報伝達系においてHisキナーゼはシグナル受容体として機能している。シロイヌナズナには11種類のHisキナーゼ様因子が存在するが、その内8種類はサイトカイニンあるいはエチレン受容体として働いていることが知られている。残りの3種類の内、AHK5(またの名はCKI2)に関してはほとんど機能解析が進んでいない。今回、我々は遺伝学的な解析によりAHK5の働きの一端を明らかにしたので報告する。AHK5に関して機能欠損と思われるT-DNA挿入変異体を3種類独立に取得し、共通する表現型を検索した。その結果、いずれのahk5cki2)変異体も根の伸長阻害作用に関してABA及びエチレンに対して高感受性を示すことが明らかになった。従って、AHK5はアブシジン酸(ABA)とエチレンのシグナルが統合して制御されて起こる根の伸長阻害作用に深く関わっていることが示唆された。そこで、ABAやエチレンに関する既存の情報伝達系との関連も含めて、AHK5が関わる情報伝達系に関して考察する。
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© 2007 日本植物生理学会
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