日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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Gclustサーバーによる系統プロファイリングを用いた機能アノテーション
*佐藤 直樹
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p. 436

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抄録
系統プロファイリングは,系統特異的に保存された遺伝子群を探し出すのに用いられる方法で,多数のゲノムデータが整ってきた昨今では,機能未知タンパク質の機能アノテーションにおける有効性が高まっている。これまで私は,ゲノム中の全タンパク質配列の総当たりBLASTPの結果に基づいて,相同グループを推定するクラスタリングソフトウェアGclustの開発を行ってきた。Gclustにより作られるクラスタは, NCBIのCOGを自分なりにカスタマイズしてつくるものと思えばよい。COGが予め決められた66種の微生物で作られているのに対し,Gclustは用いるゲノムデータセットを選ぶことができる。NCBIでは,真核生物はKOGといって,別のデータベースになっているが,Gclustでは,真核・原核を通じた解析も可能であるという点も特長である。こうしてできた相同グループをもとにして,系統プロファイリングを行う手法を誰でもが利用できるようにするため,Gclustサーバーを構築した(http://gclust.c.u-tokyo.ac.jp/)。これを利用すると,選択したゲノムデータセットにおいて系統特異的に保存されているタンパク質を,簡単に見つけだすことができる。また,系統解析のコアデータとしても有用である。発表では,シアノバクテリア由来の葉緑体タンパク質,窒素固定共生菌に保存されたタンパク質,などの例を通じて,Gclust手法の利用法を紹介する。
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© 2007 日本植物生理学会
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