日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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高等植物における概日時計分子機構の普遍性:シロイヌナズナとイネを用いた概日時計関連因子の比較解析
*村上 正也多湖 泰裕山篠 貴史水野 猛
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p. 538

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抄録

高等植物における概日時計分子機構の研究は主にモデル双子葉植物シロイヌナズナを用いて精力的に行われている。その結果、シロイヌナズナ時計関連因子群の機能に関して多くの知見が蓄積しつつある。特に概日リズムを発振する機構はMyb型転写因子CCA1/LHY、およびTOC1が転写フィードバックループを形成することで中心振動体を形成していると考えられている。我々は、TOC1が擬似レスポンスレギュレーターファミリー(PRR)の一員でありPRR1と同一であること、他のPRRメンバー(PRR3, PRR5, PRR7, PRR9)もTOC1(PRR1)と同様に中心振動体の構成因子として重要な働きをしていることを報告してきた(Mizuno & Nakamichi, Plant Cell Physiol. 46:667, 2005)。この他にZTL、ELF3/4、GI、LUXといった時計関連因子が報告・解析されている。しかし、高等植物の概日時計分子機構を理解するためには、他の植物を用いて普遍性を見いだすことが必須である。このような観点から、本研究ではシロイヌナズナについで全ゲノム配列が公開されているモデル単子葉植物イネを解析の対象とした。(1)シロイヌナズナとイネにおける時計関連遺伝子群の比較解析、(2)イネ相同因子群の発現リズムの解析、(3)イネのPRR1(TOC1)、CCA1/LHY、ZTLと思われる各ホモログ遺伝子の取得とシロイヌナズナを用いた機能解析結果などを示す。これらの解析の結果から、高等植物における概日時計分子機構の普遍性に関して考察する。

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© 2007 日本植物生理学会
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