日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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好熱性シアノバクテリアThermosynechococcus elongatusのシャペロニンGroEL2の発現及び機能
佐藤 慎一郎*仲本 準
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p. 564

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抄録
大腸菌とは異なりシアノバクテリアゲノムには二種類のgroEL(groEL1及びgroEL2)遺伝子が存在する。シアノバクテリアのgroESL1の上流調節領域には、枯草菌などのgroEやdnaKオペロンの負の転写調節に関与するCIRCEオペレーター配列が存在しているが、Thermosynechococcus elongatus (T. elongatus) を含む多くのシアノバクテリアのgroEL2の上流調節領域にはCIRCE配列が存在しない。シアノバクテリアgroEL2の発現調節と機能は未解明である。
本研究ではT. elongatus の発現調節と機能解析を行なったので報告する。groEL1及びgroEL2の発現に及ぼす温度の影響を調べるためにノザン解析を行ったところ、熱ショック誘導は同様に起こったが、groEL2のみが低温で誘導された。プライマー伸長解析により温度変化に応じた転写調節が大腸菌のようなσ因子の交換によるものではないことが示唆された。GroEL2の機能を明らかにすべくgroEL2遺伝子破壊株を構築した。変異株は、高温、低温、強光感受性を示した。これらの結果は、GroEL2が種々のストレス下で重要な役割を果たすことを示すものである。
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© 2007 日本植物生理学会
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