日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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乾燥、塩ストレス応答性転写因子DREB2Aの高温ストレス応答における機能解析
*佐久間 洋圓山 恭之進刑部 祐里子秦 峰篠崎 一雄篠崎 和子
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p. 574

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抄録
シロイヌナズナのDREB2Aタンパク質は、乾燥、塩ストレス応答に関与する転写因子であり、ストレス誘導性遺伝子のプロモーター領域に存在するDRE/CRT配列に特異的に結合する。DREB2Aタンパク質の活性化には翻訳後の修飾が必要であり、我々はこれまでにアミノ酸136-165の領域が活性を負に調節していること、この領域を削除することで恒常的活性型となる事を明らかにしている。恒常的活性型DREB2Aを35Sプロモーターと結合して過剰発現させた形質転換シロイヌナズナでは、LEAタンパク質遺伝子などの水ストレス耐性獲得に関与する遺伝子に加えて、高温ストレス応答性遺伝子の発現の増加が見られた。DREB2Aの高温ストレスに対する応答を確認すると、37度処理により30分をピークに一過的な強い発現誘導を受けていた。また高温ストレス処理により、GFP-DREB2A融合タンパク質の核への蓄積が観察された。活性型DREB2A過剰発現シロイヌナズナでは野生株に比較して高温ストレス耐性が向上しており、DREB2A破壊株では高温ストレス耐性の低下がみられた。これらの結果はDREB2Aが、乾燥・塩ストレス応答だけではなく、高温ストレス応答に際しても重要な機能を果たしていることを示唆している。
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© 2007 日本植物生理学会
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