日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

オオムギにおけるベタイン輸送体HvProT2の単離と機能解析
*藤原 崇志服部 侑三屋 史朗高倍 鉄子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 588

詳細
抄録
植物における塩、乾燥ストレスに対する適応戦略の一つに、グリシンベタイン(ベタイン)やプロリンなどの適合溶質の蓄積がある。ベタインは細胞内オルガネラ間や組織間においてダイナミックに輸送されることが示唆されている。しかし、ベタイン蓄積植物におけるベタイン輸送体の存在はほとんど報告がない。そこで本稿では、オオムギにおける適合溶質輸送機構の解明を目的とし、ベタイン、プロリン輸送に関与する遺伝子の単離とコードされるタンパク質の機能解析を試みた。
オオムギから適合溶質輸送に関与する新規遺伝子HvProT2を単離した。ノーザン解析により、HvProT2は根において強く発現することが示された。また酵母にHvProT2遺伝子を導入し輸送活性を調べたところ、ベタイン、プロリンおよびGABAを基質とすることが明らかとなった。これらの結果はHvProT2が根における適合溶質輸送に関与することを示唆している。さらにオオムギにおけるHvProT2の生理的機能を明らかにするために、HvProT2が細胞内、植物体内でどこに局在しているかを調査する予定である。
著者関連情報
© 2007 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top