日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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Synechococcus WH8102の光化学系の形質転換
*伊藤 寿田中 亮一田中 歩
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p. 601

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抄録
我々はSynechococcus WH8102の光化学系を調べるために形質転換体を作製し、光合成色素の改変を行った。
海洋性のSynechococcusProchlorococcusは海洋での一次生産に重要な役割を果たしている。これらは系統樹の上では近傍に位置し、ProchlorococcusSynechococcusから派生したと考えられている。しかし、その光化学系の光捕集システムは大きく異なる。Synechococcusは他の多くのラン藻と同じくフィコビリソームを利用しているのに対して、Prochlorococcusはクロロフィルbを合成し、Prochlorophyte chlorophyll b-binding protein(Pcb)を有している。
我々は、Synechococcusの光化学系がどのようにProchlorococcusの光化学系に変化したかを調べるためにSynechococcusの形質転換体を作製した。材料として全ゲノム配列が明らかになっているSynechococcusWH8102を用いた。Prochlorothrixのchlorophyll a oxygenaseとProchlorococcus MED4のPcbを導入したところ、少量のクロロフィルbが検出されたことから、Synechococcus内でのクロロフィルbの蓄積が可能であることが示された。
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© 2007 日本植物生理学会
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