日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナの Ac/Ds トランスポゾンタグラインを用いたリボソーム結合因子(RBFA)のホモログAPG4(Albino or Pale Green 4)の機能解析
*加藤 智子岡田 恵里板山 俊一黒田 浩文松井 南篠崎 一雄本橋 令子
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p. 756

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抄録
私達は葉緑体の発達に必要な核コードの遺伝子の機能を解析するために、シロイヌナズナのトランスポゾンAc/Dsのタグラインを用いてアルビノ変異体albino or pale green mutantの解析を行っている。その変異体の中の一つであるapg4は子葉がアルビノ表現型を示し、本葉は黄色と緑色の斑入りの表現型を示した。透過型電子顕微鏡によるプラスチドの形態の解析では、子葉のプラスチドは野生型に比べ内部構造の発達が全く見られず、空胞が多く見られる異常なプラスチドが観察され、本葉のプラスチドは野生型と同じようにラメラ構造が形成されている葉緑体とチラコイド膜の発達中の段階の葉緑体を似ている異常な葉緑体が観察された。apg4は大腸菌のRBFA(Ribosomal binding factor A)と相同性がある遺伝子のプロモーター領域に、Dsが挿入している変異体であり、RT-PCRによりRBFAの転写の有無を調べたがRNAは検出されなかった。高等植物のおいてRBFAの機能はまだ解明されていない。大腸菌のrbfA変異体は低温ストレス下で16S rRNAの成熟を抑制する事が報告されているが、apg4では、大腸菌とは異なり23S rRNAと4.5S rRNAの間のプロセッシングに異常が観察された。また、低温ストレスによって、RBFAの発現が誘導されるか報告する。
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© 2007 日本植物生理学会
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