日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

亜硫酸還元酵素のDNA結合活性
*関根 康介藤原 誠中山 雅登長谷 俊治佐藤 直樹
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 758

詳細
抄録
植物の亜硫酸還元酵素(SiR)は色素体内でフェレドキシンを電子供与体としてSO32-をS2-に還元する酵素である。近年、SiRは単離葉緑体核様体の構成成分として見つかった。本研究では、酵素活性をもつホロ型酵素を用いてエンドウ(PsSiR)またはトウモロコシSiR(ZmSiR)のDNA結合特性を調べた。PsSiRとZmSiRは二本鎖および一本鎖DNAに配列非特異的に結合した。PsSiRのDNA結合は酵素活性には影響しなかった。これは核様体内でフェレドキシンおよびSO32-がSiRと相互作用できることを示唆している。In vitro DNA凝縮アッセイの結果、DNA凝縮能はPsSiRの方がZmSiRよりも高いことが示され、in vitro転写系ではPsSiRによる強固なDNA凝縮によってZmSiRよりも強力な転写抑制が見られた。免疫蛍光観察では、単離エンドウ葉緑体では核様体に大部分のSiRの局在が見られたが、トウモロコシでは明確な核様体への局在は見られなかった。以上の結果は、SiRが核様体凝縮に重要な役割を果たしているが、核様体への結合の程度は植物種により異なることを示唆している。
著者関連情報
© 2007 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top