日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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Brassica rapaにおけるDDM1のDNAメチル化ターゲットの解析
佐々木 卓*藤本 龍西尾 剛
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p. 798

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抄録
近年のゲノム研究から、トランスポゾンは植物ゲノムの多くを占めることが明らかになってきている。多くのトランスポゾンは不活性化状態にあり、その不活性化はエピジェネティックな制御を受けていることが示唆されている。マイクロアレイ解析によって、シロイヌナズナのDDM1がトランスポゾンや縦列反復配列のメチル化に関与することが示されている。
本研究では、Brassica rapaにおいてddm1-RNAi低メチル化形質転換体を用いてMSAP (methylation-sensitive amplification polymorphism)解析を行い、BrDDM1によるDNAメチル化制御を受ける配列を探索した。その結果、制御を受ける配列の多くはトランスポゾン様配列や反復配列であることが分かった。また、器官の違いによるDNAメチル化の差を調べるために、葉、雄蕊、雌蕊から抽出したDNAを用いて同様にMSAPを行ったところ、いくつかの遺伝子領域においてDNAメチル化に器官による差が見られたが、この配列について野生型とddm1-RNAi低メチル化形質転換体でMSAPのバンドに差は見られなかった。
以上の結果から、BrDDM1はトランスポゾンや反復配列のメチル化を制御し、器官の違いによるメチル化の変化への関与は小さいことが示唆された。
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© 2007 日本植物生理学会
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