日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネ完全長cDNAを導入したシロイヌナズナから単離されたアントシアニン蓄積異常個体の解析
*齋藤 力横谷 尚起市川 尚斉近藤 陽一廣近 洋彦松井 南岩渕 雅樹小田 賢司
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p. 827

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抄録
イネはゲノムサイズが比較的小さく(約390Mbp)単子葉植物のモデル植物としてゲノムの解読が終了した。また、完全長cDNA数万クローンが 単離され、我々は植物で高発現させるためのFox Hunting Systemを用い てライブラリーを作成し、シロイヌナズナを検定植物として有用遺伝子の単離を目的として研究を進めている。
野生型のシロイヌナズナの種子の色は褐色であり、プロアントシアニジンが蓄積している。また、シロイヌナズナで単離されている種子の色に変異が見られる突然変異体は、淡褐色または黄色(白色)の種子を形成し、アントシアニンの合成酵素、その転写制御因子、細胞内での輸送等に関与する遺伝子の変異によることが示されている。
今回我々が作成したFoxラインの中で可視的変異を示す植物の中に種子の色に変異を示す個体が検出された。一つのラインは白色の種子を形成し、もう一つのラインの種子は淡褐色を示した。これらのラインは、葉または茎に蓄積するアントシアニン量が野生型に比べて減少しており、また、種子のプロアントシアニジンの蓄積も減少していた。しかしながら、アントシアニン合成酵素等のmRNA量の顕著な減少は認められなかった。導入された遺伝子の解析とそのアントシアニン合成との関係について現在解析を行っている。
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© 2007 日本植物生理学会
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