抄録
植物の機械刺激受容の分子機構を明らかにするため、我々は出芽酵母のCa2+透過性機械受容チャネル候補の変異株(mid1)の致死性を相補する、シロイヌナズナの2つの遺伝子MCA1 とMCA2 (旧名AtMID1AとAtMID1B)を単離した(第45回年会)。Mca1とMca2はアミノ酸配列上72 %の同一性をもつが、Mid1とは10 %の同一性しかもたない。我々が開発した二層寒天法により、Mca1は根が寒天の硬さを感知することに関与していることを報告した(第47回年会)。本研究ではMca1とMca2の機能を酵母において解析した。まず膜分画法により、Mca1は酵母の細胞膜に局在することを明らかにした。次に酵母のmid1 cch1二重変異株の致死性に対する相補能を調べた。すなわち、酵母のMid1とCch1は協調して高親和性Ca2+チャネルとして機能しているので、単独ではmid1 cch1二重変異株を相補できない。しかし、Mca1とMca2はそれぞれ単独でこの二重変異株を部分相補し、Ca2+蓄積を増加させた。この知見は、Mca1とMca2がMid1とは異なるメカニズムでCa2+透過タンパク質として機能することを示す。