日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナAtREV3は突然変異を誘発する
*中川 繭坂本 綾子高橋 真哉田中 淳鳴海 一成
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p. 876

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抄録
植物は紫外線(UV)や化学物質などの変異原に曝されると、遺伝情報を担うDNA上に損傷を受け、それによって生長が阻害される。このDNA損傷による悪影響を回避するため、植物はDNA修復機構などの様々な防御機構を発達させてきている。一方、酵母や動物細胞では損傷の未修復にもかかわらずDNAを複製し、成長を可能にするための機構として損傷乗り越え複製(TLS)が存在することが知られている。TLSはしばしば誤った塩基を取り込む傾向があり、これによってDNA損傷が突然変異として固定される。
我々は酵母のTLSに関与するDNAポリメラーゼζ(REV3, REV7)及びREV1の相同遺伝子AtREV3, AtREV7, AtREV1をシロイヌナズナから単離した。rev変異体はUV-Bの他、γ線やDNA架橋剤MMCなどの変異原に対しても感受性を示した(Sakamoto et al., 2003, Takahashi et al., 2005)。
AtREV3がシロイヌナズナでも誤りがちなTLSに働いているかどうかを探るために、塩基置換型復帰変異を検出する遺伝子マーカーとして、ナンセンスコドンとなる点変異を導入したuidA遺伝子を野生型及びrev3変異体に導入し、紫外線誘発突然変異率に差異があるかどうか調べた。その結果、rev3変異体は野生型に比べ突然変異率の減少が見られたことから、AtREV3が誤りがちなTLSに関与している可能性が示唆された。さらに、dCMPトランスフェラーゼ活性を示すAtREV1欠損変異体における突然変異誘発率についても解析を進めている。
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© 2007 日本植物生理学会
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