日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ヒルムシロ殖芽の嫌気耐性におけるH+-ATPaseの役割
*原 吉直横山 隆亮西谷 和彦石澤 公明
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p. 947

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抄録
水田雑草ヒルムシロ(Potamogeton distinctus)の越冬器官である殖芽は、無酸素中で一ヶ月以上生存する。殖芽は無酸素に応答して伸長が誘導されるが、原形質膜上H+-ATPaseを活性化するフシコクシンは伸長を促進し、逆に阻害するバナジウムは伸長を抑制することがわかった。これらの結果はヒルムシロ殖芽の無酸素中での伸長に、原形質膜上H+-ATPaseが重要な働きをしていることを示唆している。そこで、無酸素中でH+-ATPase活性がどの様に調節されているのかを明らかにする目的で、H+-ATPase活性のin vitroでの測定と、島崎教授(九州大)から分与された抗体を用いた、ウエスタンブロット法によるタンパク量の測定とファーウエスタンブロット法による14-3-3 protein結合部位のリン酸化レベルの測定を試みた。また、無酸素中では一日程度で死ぬエンドウ(Pisum sativum)の胚軸を用いて同様の実験を行い、ヒルムシロ殖芽の場合と比較した。その結果、ヒルムシロ殖芽ではH+-ATPase活性及びリン酸化レベルが無酸素中でも維持されることが明らかとなった。一方、H+-ATPase活性を増加させるフシコクシンやオカダ酸には、エンドウ胚軸の無酸素による細胞死を遅延する効果が僅かに認められ、無酸素条件下での生存における原形質膜上H+-ATPase活性維持の重要性が示唆された。
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© 2007 日本植物生理学会
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